【中国】28日、5月工業利益は前年同期比+6%と前回迄のマイナス成長から回復。SOE(公営企業)経由での経済再開は進んでいる模様。30日、国家統計局が発表した製造業・非製造業購買担当者指数は市場予想を共に上回る水準。7月1日に財新が発表した製造業購買担当者指数と3日発表のサービス業購買担当者指数共に市場予想を上回り、特にサービス業は58.4と大幅に良化。
【韓国】5月の百貨店売上高は前年同期比▲7.4%減、5月のディスカウントストア売上高は同▲9.7%減。また、5月の鉱工業生産指数も市場予想を下回り同▲9.6%減、6月輸入・輸出額共に前年同期比2桁減と経済活動は停滞。しかし、6月の景況判断指数は前月から改善。6月のCPI(消費者物価指数)は前年同月並みと物価低迷継続。
【マレーシア】5月の輸出額は前年同期比▲25.5%減、輸入額も同▲30.4%減と市場予想を共に下回る水準。貿易黒字額は輸入減を背景に、予想比拡大。6月の製造業購買担当者指数は前月から改善し分水嶺の50を上回る水準。
【フィリピン】6月の製造業購買担当者指数は前月から改善したものの分水嶺の50を下回る水準。
【タイ】5月の製造業生産指数や設備稼働率指数は低迷継続。5月の輸出額は前年同期比▲23.6%減、輸入額は同▲34.2%減で、輸入減を背景に貿易黒字幅が市場予想を上回り、5月経常収支も赤字予想に反し黒字の結果。6月の製造業購買担当者指数は43.5と低迷継続。6月のCPIは前年同期比▲1.57%と市場予想ほどマイナス幅は深くなかったが、6月の消費者景気信頼感指数が41.4と低迷しているように当面ディマンドプル型の物価上昇は遠い。
【インド】1-3月期の経常収支は市場の赤字予想に反し黒字の結果。6月の製造業購買担当者指数は前月から改善したものの引き続き50を下回り、サービス業購買担当者指数に至っては30台に低迷。

今週は、中国の経済全体のファイナンス規模・日々のインターバンク市場への流動性供給量、香港の外貨準備高、インドネシアの外貨準備高・消費者信頼感指数、インドの鉱工業生産指数、マレーシアの政策金利・鉱工業生産指数、フィリピンの海外送金額・CPI・貿易収支、シンガポールの4‐6月期のGDP速報値に注目。全般的に弱い結果を予想するが、2日の米雇用統計も良好で、アジア通貨(対米ドル)は小幅な値動きを予想。
【為替】アジア通貨は対米ドルでまちまちな動きを想定。中国は、金融引き締め気味のスタンスで対ドルで堅調となる可能性。シンガポールドルも連動して堅調推移。その他のアジア圏は地政学リスクが意識される韓国ウォンやインドルピーが対米ドルで下落。利下げが期待されるマレーシアリンギットとバーツ高牽制を行う可能性があるタイバーツも小幅下落。米ドルペッグの香港はほぼ横ばい。高利回り国のインドネシアルピアとフィリピンペソも外人投資家の売り圧力が高まり軟調推移を予想。
【債券】アジア域内で格付が高い、タイ・シンガポール・韓国の国債金利は横ばいからやや低下を、その他の国(インド・インドネシア・マレーシア・フィリピン)は需給悪化より引き続き金利上昇を想定。


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