
来週一週間の大まかな為替・債券の方向性を考えます。
・米銀行ストレステスト:4月に、ストレステストにコロナ禍に関連する分析事項を加えるとFRBは表明していたが、クオールズ副議長は、景気回復の過程についてFRBは3通りのシナリオ下でストレステストを実施すると説明。その結果に基づき、各行が配当金支払いや自社株買い戻しを実施できるかを判断すると言及。今回のストレステストの対象銀行数は、検査は資産1000億ドル超の34の金融機関が対象となり、FRBが大手行に減配や配当見送りを促すことができるかどうかが焦点。促す場合は株価にマイナスでクレジットスプレッドにプラス。
・15日に、米連邦準備制度理事会(FRB)が緊急融資プログラム下での広範な社債買い入れ(従来のETF経由ではなく)を発表すると市場は好感。しかし、パウエルFRB議長は、プログラムを通じた買い入れを拡大するわけではないと説明(つまり、ETFを経由していたものが、基準に基づいて(特別に設けられた米社債の指数)直接社債を買うということ)。火曜日以降は、スプレッドほぼ横ばい推移。
・Bloomberg Barclaysの月末エクステンションは+0.08年。モデル系のリバランスも、今月は大きな影響はないと考える。
・米景況感指数:6月のフィラデルフィア連銀景況感指数や5月の小売売上高は市場予想を大幅に上回る水準で、米金利は週前半にトランプ政権の1兆ドルインフラ投資計画の報道もあり、今週発表となる製造業・サービス業購買担当者指数(PMI)やリッチモンド連銀製造業指数も大崩れしない見方。
・欧州景況感指数:23日にドイツ・フランス・ユーロ圏のPMIが発表されるが、市場は楽観的な予想となっており、下回る場合は欧州からのリスク回避姿勢の強まりを見る可能性。
・BOE(イングランド銀行)は金融政策決定会合で資産買取枠の拡大を決定し、ECB(欧州中央銀行)もTLTRO IIIを通じて償還分を加味しても追加の流動性を供給と、リスク資産にポジティブ。
・原油相場:OPEC+の減産順守状況は良好、米国リグ数減少などから、大きく価格下落することはないと考える。
・バリュエーション:リスク性資産は先週15日に上昇後は横ばい推移。先々週の下落を株は半分ほど、クレジットは全部戻した格好。コロナは、カリフォルニア州やテキサス州など、第2波への警戒感が高まっている。

上記要素を組み立てると、大きな材料も少なくBOE・ECBの流動性供給継続や米国の財政出動期待もあって、比較的落ち着いた相場になると予想。コロナを懸念しずるずる下落か、横ばいを予想。ストレステストはサプライズないと考え、銀行は配当抑制姿勢となること、社債の新規発行が先週よりも少なくなる見通しであることから、クレジット市場にはポジティブで、スプレッドは横ばいや、小幅タイトニングを予想。社債関連のETF・投資信託などは買われる展開を予想。
6月19日のDaybackでも指摘したが、ドルインデックスは、4日連続上昇。リスク回避的な動きから円が買われ、新興国通貨が下落。インド・ブラジル・南アフリカでコロナの感染者数が増加しており、市場は警戒。大幅に売り込まれる国もあるのではないかと考える。EMショート・米ドルロング維持、ドル円はリスク資産同様に横ばい推移を想定も、107.9円程度でロング構築再開したい。


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