来週一週間の大まかな為替・債券の方向性を考えます。
・米雇用統計:5月の米失業率は13.3%と市場の事前予想19%を大幅に下回り、非農業部門雇用者数も+251万人と予想の▲750万人を大幅に上回った。
・欧米経済対策:ECBは4日の理事会で追加金融緩和を決定(6000億ユーロ増額し1兆3500億ユーロへ資産買取枠を拡大)、米国では、トランプ政権が次回経済対策が1兆ドル規模と想定しているとの報道。
・米中対立:アメリカが中国航空便の乗り入れを禁止することを検討、中国は米国産大豆の購入を停止することを検討。
・原油相場:4月の狂った状況から自然治癒的に回復しつつあり、一時マイナス価格(WTI価格を決定する要素であるクッシング地域(オクラホマ州)の在庫キャパシティがボトルネック)となっていた原油1か月先物価格は、足許40ドル/バレル付近まで回復。OPECプラスでの減産報道もサポート材料。
・バリュエーション:米SP500は、6月5日に3200を突破、投資適格社債(US Agg Corp)も5月から50bpsもタイトニングしており、企業のB/Sなどからみて割安感はなくなりつつある。
上記要素を組み立てると、先週は米中対立はほぼ材料視されず、市場のリスク選好姿勢が継続し、株・社債ともに上昇、社債については発行市場でのプレミアムトレード(発行市場で割安に発行されたのち、流通市場で急激に値を上げる動き)も活発化。原油も、「経済活動再開⇒需要回復期待」と「OPECプラス減産⇒供給削減期待」で上昇。米国債イールドカーブはベアスティープ顕著となり、強い雇用統計で金利上昇は勢いを増すも、週末引けにかけてはスティープニングポジションの解消の動きもあり、やや戻し、週を通じれば米債10年0.6%⇒0.89%(peak0.95%)。 個人的には、Duration・対円での為替ポジションはニュートラルで入り、機動的に調整したため、やられることはなかったが、週真ん中ではやりすぎ感もあると思い、指値で上での反転を狙ったがうまくいかず。米債は10年1%越えはさすがにないと思うので、来週はロング目で入る。ドル円も110円の壁は厚いと想定しており、日米金利差拡大でのドル選好もしずらくなってきているはず。ならば経常収支フローとドルの過剰流動性に市場の目が向き、米ドル安転換を想定。円ロングを打診的に行う方針。


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