来週一週間の大まかな為替・債券の方向性を考えます。
・米FOMC:0%~0.25%金利を維持。市場は、ドットチャート(12月以来)で21年までFOMC参加者の利上げ予想は皆無、22年も2名のみ利上げ予想となったことを受けて、金利は買われた。声明文で資産買入れについて今後数か月は現行ペースとなったことも安心材料に。
・FRBは、金融政策報告書でノンバンクセクターの脆弱性が顕著であるなど、金融システムの脆弱性が著しくなると指摘。ウェルスファーゴは2Qの引当増加見通しにより軟調、
・米インフレ率:5月の総合CPIは3か月連続の低下となる前年比+0.1%。コロナ禍での需要減退が明確に。長期債買いへ。
・米10年入札:軟調な結果。
・原油相場:コロナ第2波懸念(テキサス・アリゾナ等での入院者数増加)から原油需要後退観測が高まり、WTIは36ドル/バレルへ(8日時点では40ドル近辺)。
・バリュエーション:リスク性資産は大幅に調整。ジョンズホプキンス大学によれば米国内での感染者数は200万人を超え、第2波への警戒感が高まっている。旅行・娯楽関連・エネルギー銘柄を中心に11日に大きく下落(ダウは▲7%, SP500▲5.9%)。投資適格社債(US Agg Corp)も15bpsほどワイドニング。
上記要素を組み立てると、先週はここ2か月上げてきたリスク資産の水準調整。コロナ第2波の懸念は前からあったこと、結局売り始めるタイミングを計っていた投資家が多い中で、格好のネタがでただけ。FOMCは、ドットはサプライズでもう22年まで何もしないんでしょうか(そんなはずはないですね)。週前半に米金利10年が0.95%タッチして12日終わりには0.7%着地。個人的にはロング目でWN/TYで回転させていたのでOK。米金利低下・リスク資産調整の動き、ドル円は5日の109.7円は何だったのか11日には106.6台へ、先週の上げを全戻し。ドル円は円ロングポジションだったのでOK。社債市場はセンチメントが一変し、11日からはブローカーのオファービット拡大、スプレッド水準も15bps拡大。IG持ってればまだベース金利低下で救われる水準だが、HYはアウト。そんな中、発行取りやめも多数散見され、市場の冷え込みが顕著。原油も40%をトップに調整。
今週は、米小売りとエマージング各国のコロナ状況・政策金利に注目。米小売りは市場予想を下回らなければあまり材料しされないだろう。インド・ブラジル・南アフリカでコロナの感染者数が増加しており、そろそろ市場の目も向くだろう。大幅に売り込まれる国もあるのではないかと考える。EMショート・米ドルロング、円は先週調整したので一旦ニュートラルとし、107.9円程度でロング構築再開したい。社債は選択的に投資を行い、割安な新発を少しとる程度でセカンダリー売買は控える予定。


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