来週一週間の大まかな為替・債券の方向性を考えます。
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先週のカタリスト
先週は以下3点が良好な結果となったことが相場押上げ、S&P500は1.2%近く上昇。
・コロナウイルスワクチンのポジティブヘッドラインが欧米で散見
・米銀第2四半期決算が無難
・欧米の追加政策期待(欧州復興基金の合意、米国の給与減税等の追加政策対応)
但し、30分足でみると、上方向は重たくなってきていることがわかる。レジスタンスラインは、3240程度でみているが、欧米の政策発表があればここは越えてくる可能性。逆に、特に月曜日時点で欧州復興基金が決裂ならば、トレンド線の下となる3200程度まで切り下げてギャップオープンすることも。日経平均はその前に下落するだろう。
Source :TradingView
1時間足(レジスタンスラインのイメージを持つために作図)
出所:TradingViewより作成
来週のカタリスト
来週の指標系では、24日に米国PMI(購買担当者指数)が発表になるが、製造業・サービス業ともに50を超えた予想となっており、50未達の場合はリスク性資産の下押し理由付けになる可能性。欧州のユーロ圏5月経常収支はユーロの方向感をみるのに確認したい所。24日に欧州圏PMIも出るが、こちらも50または50超の予想で、下回るとユーロ売り材料。
政治ネタでは、欧州復興基金の議論の動向に注目。現在、3日目に突入しているが、財政規律を重んじるオランダなどが反対している模様。
EU首脳会議が会期延長 新型コロナ対策、92兆円規模の復興基金で交渉難航 – 毎日新聞 https://t.co/sdE3j90k9a
— Tbridge (@Tbridge8) July 19, 2020
FYI 3日目迄話し合いが続いていること自体は、延期はあっても全くの決裂はないとの可能性もあるが、すんなり合意は思った通り厳しいですね。#欧州復興基金 #欧州サミット行方
中国関連のヘッドラインは、最近海洋進出ネタが多くなってきている。これ以上周辺国への刺激を続けると国債社会から総すかん状態になりかねず、それは太平洋戦争前の日本と酷似すると思う。欧米がトリガーを引いたら(おそらく香港絡みの金融制裁)、突発的な衝突リスクも出てくると考え、あくまでテールリスクシナリオとして留めておく。
コロナ:日本では4日連続200人を超える新規感染者となり増加止まらず今日(日曜日)も180人。アメリカ大陸では感染拡大が顕著で、フロリダ・カリフォルニア・テキサスに加えアリゾナでも広がりをみせ、ブラジルでは200万人を突破。
米金利はレンジ推移しているが、来週は企業業績に注目
ローソク足の米金利10年は0.6% ~0.67%を推移。コロナネタに大きく金利低下することもなく推移。8月前に一旦上昇するには政治的合意と第2四半期業績が非金融でも良好なことを確認する必要。足許1週間の日本国債は、米債に連動推移。来週の20年債入札にも幅広い投資家の需要が見込まれ堅調推移か。
【注目の業績発表】20日のIBM、21日コカコーラ・フィリップモリス・テキサスインスツルメンツ、22日テスラ・マイクロソフト、23日フィフスサードバンコープ・フリーポートマクモラン・インテル、24日ベライゾン・アメックス。この辺の業績が要注目。
出所:TradingViewより作成

欧州コア国金利は欧州復興基金ネタ待ち
欧州コア国の金利は、ECB(欧州中央銀行)で金利低下後、金曜日はドイツ・フランス共に上昇。欧州復興基金ネタはまだ反映されていなく、米金利上昇したタイミングでつられて上昇している感じ。
出所:TradingViewより作成
ドル円は膠着状態
引き続き106.65~107.4のレンジ推移。欧州復興基金が合意ならないならば、スタートは円高目線。しかし、そのタイミングで企業業績が大崩れしないならば戻ってくると予想。
出所:TradingViewより作成
ユーロドルは基金ネタでチャネルの下限迄戻る余地有か
ストキャスティクスでは上2σラインにタッチ後、少し離れつつある。6月12日以降に同様な動き後に方向変わっており、今回も同様な動きとなる可能性に注意。第一ラインは下2σライン、第二ラインはチャネル下限で想定。
出所:TradingViewより作成

まとめ
先週は、リスク性資産が小幅に買われるも上値重く、米国債は買われる展開。金の上昇が止まらないことは市場全体の身構え感の表れの可能性。来週は、欧米の政治ネタで動く可能性があり、特に週明けに欧州復興基金の議論を市場がどのように消化するかに注目。指標は欧米PMIは予想が50を超えており、下回ると相場下押し材料。ドル円はレンジ、ユーロドルはユーロ安を想定。


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