7月17日の振り返りとインプリケーションです。図を使ってわかりやすく解説します。
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株式市場は期待感で買い戻しの動き
S&P500は前日比+0.3%上昇。米国の6月住宅着工件数は市場予想を下回り、7月のミシガン大学消費者マインドも市場予想を下回ったものの、株式市場はさほど反応せず。住宅指標については絶対値では戸建て許可件数が2019年まで戻っており、今後は着工増も見込まれる。英インペリアル大学のワクチン開発報道を欧米株式市場は好感してスタートし、議会は週明け20日に新たなコロナ経済対策を巡り審議するため、追加政策対応期待も高まっている。米国ではないが、17日開始した欧州連合首脳会議で復興基金に関する合意の道筋が付くとの期待感も現れている。欧米共に期待感。。。
出所:TradingViewより作成
債券は米国時間に株高を見ながら売られる展開
ロンドン時間で買われる展開。ニューヨーク時間入り直後は、住宅着工件数は市場予想を下回ったのを確認して10年金利は0.6%を切る水準まで低下。しかしその後は、株高や一部米国債の供給増懸念(※)が高まり、ミシガンの先行値が予想を大きく下回る中でも、終わってみるとイールドカーブはベアスティープ化。起債は金曜日なので当然ほぼ無く、市場要因とならず。
テクニカルには、10年金利が0.6%切りが定着しなかったことで、サポートライン維持を確認。
(※)米国債の供給増懸念:財務省借入諮問委員会(TBAC)がプライマリーディーラー向けの質問票に国債入札の頻度・金額調整につちえの項目が入っていたことで、米国債発行増懸念が高まった。
出所:TradingViewより作成

ドル円:米株高⇒ドル売りがメイン
ドル円は、方向としては昨日のドル高の揺り戻しから(米金利が上昇しても、どちらかというと株高⇒ドル売りの流れ)ドル安推移(21時以降一方方向だったのでこれがメインの要素と推察)。東京・欧州時間はクロス円も軟調だったので、東京でのコロナ感染拡大を嫌気したこともあり円買いの動きもあったと推察。欧州復興基金関連の動向は要注視。下は昨日までにサポートラインは106.65と確認しているが、上も107.3付近がレジスタンスラインになっている。
出所:TradingViewより作成
原油市場は需要減を織り込み、金は週ベースで上がり続ける
原油は、ミシガン大学消費者マインド指数の低下やテキサスやカリフォルニア州などでの新型コロナの感染拡大が嫌気材料。金は、ここ2日の軟調さを取り戻すかのように上昇し、6週連続の上昇に。
出所:TradingViewより作成
OPECプラスは現在の減産量である日量970万バレルから、減産規模を日量970万バレルに縮小する方針。
OPECとロシア、8月から協調減産を緩和…需要回復と判断|ニフティニュース https://t.co/8Ify7gR79d #経済総合 #ニフティニュース
— Tbridge (@Tbridge8) July 18, 2020
イエレン前FRB議長とバーナンキ元議長は共同講演でイールドカーブコントロール(YCC)は可能だが不確実、と言及。

まとめ
欧米の政策期待感で、米株は上昇し金利も上昇。コロナ材料で原油が引き続き軟調、金は買われ続ける。斯かる中で、ドル円は方向感なくレンジ推移が続き、サポートラインは106.65と確認しているが、上も107.3付近がレジスタンスラインに。週明けは、欧州復興基金関連報道でユーロの値動きに注意。
来週は、第2四半期の企業決算発表は来週本格化し、マイクロソフト・テスラ・インテル・ベライゾンなどが決算を発表。テスラの株高は続くんでしょうかね。
コロナに思う
コロナ感染者数は、ブラジルでは200万人、インドでは100万人を突破。ワクチン開発報道で市場はサポートされているが、いつロックダウン祭りになるかわからないと思う。そうなった時には、当然リスク資産が売られるだろうが、今度の第2波では下落は長引きそうだ。日本を見てもわかるように、各国根幹部分の経済はかなり疲弊してきている。人々の心に絶望感が広がるなら、市場の反応は相当なものになるだろう。そうしないように、各国政府は対応策を考えているだろうけど。


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