中国:10日の消費者物価指数は+2.4%と市場予想を下回る水準。輸出・入額ともに前年同期比マイナス、貿易収支は輸入額の減少幅が大きく、黒字幅が拡大。他方、当局が、銀行等がリスク性金融商品への投資を抑制するため短期金利を引き上げているとの見方もあり、国債利回りは上昇。人民元は米ドル安進行に対して横ばい推移。
インドネシア・フィリピン・インドは、対ドルで下落に転じ、インドネシアは中央銀行(BI)がルピア安への牽制する姿勢を示した。インドネシア国債の利回りも上昇に転じている。インドはコロナ感染者の増加が続いており、一段とルピーは弱含みやすい環境。
シンガポール・韓国は米金利低下と連動し、国債利回りは低下。為替は対ドルで横ばい。
唯一タイバーツは引き続き対米ドルで上昇。政府がロックダウンの緩和を発表し、日本・中国との観光交流の再開期待が高まっていることが背景。また、政策金利はすでに過去最低水準でこれ以上の引き下げが実質困難であることもバーツの底堅さを支えるが、中央銀行(BOT)はバーツ高牽制を今後していくものと考える。

今週は、中国15日の中期貸出制度(MLF)に注目。当局はローン金利の継続的な引き下げを目標にしていると思われ、引下げた場合は、国債利回りは低下すると考える。シンガポール・タイ・韓国は米金利低下にやや遅れて連動し、低下を見込む。対して、インドネシア・フィリピン・インド・マレーシアの金利は横ばい若しくはやや上昇を想定。アジア通貨はリスクセンチメントは回復せず、全般的に軟調予想。香港ドルは買い需要継続を想定するも、ペッグ制の信認は揺るがないと想定。

